新年早々の大規模停電に思うこと
2021年1月14日魁新聞記事.pdf
秋田県の2021年は大雪に始まり、1/7・8の大規模停電で大混乱の幕開けとなった。この間だけはコロナウイルスよりもこちらの方が県民にとっては大きな問題だったと思われる。特に県最大の市である秋田市は大打撃を受けた事であろう。新聞記事を読むと「エコキュート」が故障とあり、パナソニック1社だけでも5日間で約350件の修理依頼があったと有る。真冬にお風呂に入る事が出来ないだけではなく、お湯が全く使えないと言うのは本当にしんどい。雪の降らない東京ですら同じ状況に陥ったら大変だと思うが、秋田県の冬は東京とは比較にならないほど厳しい。
エコキュートの販売店に故障の箇所と原因を尋ねてみたところ、次のような回答を戴いた。
「エコキュートの室外機の根本にある水道管が凍った事で多くの家で管が破裂した事例が最も多かった。電気が通電していれば問題は起こらないのだが、停電時の外気温が氷点下を大きく下回った事が大きな要因。」との事。これは「エコキュート」だけに限らず「ガス給湯器」でも同様の問題が起き、ガス給湯器メーカー大手のCORONAでも約400件の修理依頼が来ていると記事に有る。
ここで家づくりに携わる我々が考えなければならないのは、この厳冬期に起きた大規模停電による事故を今後の教訓として活かさなければならないという事である。「エコキュート」や「ガス給湯器」で事故を起こした機種の大半は外置きの機器である。FF式で建物内に設置したガス給湯器では殆ど問題は起こっていない。要は給湯器そのものを内部設置型にすれば良いのだが、「エコキュート」についてはヒートポンプ式室外機が外にしか置けないのがネックとなる。秋田市は秋田県の中でも比較的気温の高い地域であり、横手市と比較すれば降雪量も格段に少ない。ゆえに雪の降らない地域と同じような形で給湯器を設置しているケースが目立つ。しかし、そう言う秋田市も雪国である事は間違いなく数年に一度は大雪が降る。この数年に一度というのが判断を狂わせるのである。不測の事態が起きても、必要最低限の暮らしが出来るように考えて家づくりのアドバイスをする事が今後求められるものと考える。
横手市を中心に家づくりを行っている弊社ではFF式の灯油ボイラー(エコフィール)を推奨させて戴いているが、もしお客様から「エコキュート」を要望された場合の対策を早急に検討しなければならない。