「オール電化住宅の深夜機器割引が終了」で感じた事

「旧オール電化住宅」の暖房設備はどうなるの?

先日「オール電化住宅」にお住まいのあるお客様から「深夜割引がなくなるから来シーズンの冬から暖房機が使えなくなる。どうしたらいい?」とのお問い合わせを戴きました。私はてっきり深夜料金プランがなくなるのかと思ったのですが、実際に調べてみると「深夜機器割引」だけが令和3年4月をもって終了になると言う事でした。これは深夜に電気を使う機器(エコキュート、蓄熱式暖房機、電気温水器、etc)を導入された「オール電化住宅」のお客様が受けられる特別割引みたいなもので、これがあればこそ「オール電化住宅」が爆発的に普及したとも言えると思います。逆を言えば、それが魅力的で「オール電化住宅」にしたというお客様は少なくないと思います。

元々オール電化住宅は「原子力発電所(原発)ありき」が前提でスタートした商品だと弊社は捉えています。原発は止める事の出来ない発電所で24時間休まず電気を作り続けます。いくら原発が深夜に電気を作り出しても一般的に深夜、電気を使う所は限られております。そこで考えられたのが「オール電化住宅」です。深夜料金として破格の電気代を提示した「オール電化住宅」はあっという間に日本の住宅業界の主役になりました。あの3.11の震災が来る前までは。しかし福島の原発事故で状況は一変しました。それまで毎日のように「オール電化住宅」や「スポット電化住宅」がTVCMで流れていたのが、原発事故以降は一度も流れなくなりました。それまでの原発で作り出されていた余剰電力を送る事が出来なくなった訳ですから当然です。以前のブログでも書きましたが、現在の電力は8割方火力発電所に依存されています。化石燃料を燃やして電気を作る発電所に余剰電力など有るはずもなく、いつかはこういう事態が起こる事はある程度予想はしていました。

しかしながら、これまで深夜電気を利用して暖を取っていた住人にとっては経済的に大きな痛手である事に間違いはありません。蓄熱式暖房機やエコキュートなどの機器類は今まで通りに使えたとしても、問題は月々の電気代です。どれくらい上がるのかちょっと想像が付きませんが、そもそも論として「オール電化住宅」を建てる際に東北電力とどのような契約書を交わしていたかが注目点になると思います。原発事故の発生は予測していなかったとしても、「このような事態になった場合には割引が終了します。」と言う文言が有るかどうかです。もし、有るとすれば受け入れるしかないと思いますが、無いとすれば話は大きく変わって来ると思います。蓄熱式暖房機は家電製品ではありません。住宅に組み込まれた住設機器です。住設機器の選択肢は多岐に渡りますが、多くのお施主様は「深夜電気料金体系と深夜機器割引」で起こる電気代の安さが魅力で「オール電化住宅」を建てられたはずです。それが電力会社の都合で一方的に割引終了となったとすれば考えものです。なぜならば住設機器の交換は簡単ではないからです。出来ない訳ではありませんが、多額な費用が掛かります。

この「深夜機器割引の終了」についてネットで検索しても「原発」の「げ」の字も出てきません。つまり電力側では「原発停止が原因で割引が終了」とは一言も言っていない訳です。ですから、この記事は私個人の見解(独り言)としてお読みください。また今回の「深夜機器割引の終了」でどうすれば良いのかお困りの方はぜひ弊社へご相談ください。フォレストの『秘策』をご提案させて戴きます。

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