日本の住宅建築に欠かせない技術②
前回の続きです。
住宅を建てる際には「安全性の目標」を考えなくてはならない事までお話をさせて戴きました。その目標を達成する手段として現在は様々な耐震技術が世の中に出てきておりますが、その代表的な構造を3種類ご紹介したいと思います。
一つ目は耐震構造です。
「耐震」とは、筋交いや面材、構造用金物によって強度を高めて、地震の力に耐える工法です。一般的に多くの住宅会社や工務店が採用している工法です。建築基準法では「関東大震災クラス」の地震に耐えられる強さを耐震等級1と定めており、耐震等級2や3で建てる事でより大きな地震に耐えられる住宅になります。注意点としては建物をガッチリと固定して強度を高めていますが、大きな地震を繰り返し何度も受ける事で固定部分に緩みが発生するケースがあり、それにより建物が傷んでしまう場合があります。
二つ目は制震構造です。
「制震」とは、エネルギー吸収体を住宅の耐力壁内に設置する事で建物の揺れを抑える工法です。ビルや橋にも採用されている揺れ防止技術で、住宅の場合は一般的にダンパー式の装置が1棟に6~8ヵ所程度設置されます。2階建ての住宅の場合は1階の壁面にしか設置しませんので2階の揺れ防止には有効的ですが、1階の揺れ防止にはあまり効果は期待出来ません。しかし、地震によるエネルギーを吸収することで建物へのダメージは抑えられますので、耐久性の観点から見れば採用する価値は充分あると言えます。
三つ目は免震構造です。
「免震」とは、ベアリングや積層ゴムを建物の下に設置し、免震層を介在させることによって地面の揺れから免れる工法です。つまり、「住宅は宙に浮いた状態で地面だけが動く」という地震対策としては理想的な工法です。が、意外な欠点もあるので採用をご検討されている方はご注意ください。その意外な欠点とは「ちょっとした強風が吹くと建物が揺れる」ということです。宙に浮いた状態なので、建物が地盤に固定されていない為に他の構造では有り得ない現象が起きるのです。また、価格の面においても免震構造は破格の金額になりますし、これを採用している住宅会社は大手ハウスメーカーでもわずかしかおりません。
以上が代表的な耐震構造の簡単な説明になります。
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