ハウスメーカーの功罪
『宮大工の職人魂を住宅建築へと活かします。』これはあるハウスメーカーが自社ホーム
ページで語っている言葉です。思わず笑ってしまうのは私だけではないと思います。建築
を知っている人間であれば「言っている事とやっている事が全然違うじゃない。」と思うはず
です。
『宮大工の職人魂』を語るのであれば、釘や金物を使わずに家を造る日本古来の建築工法
で建てるべきで、集成材や金物に頼った現代建築しか造らないのであれば『宮大工』の名
を語らないで戴きたい。そもそも本物の宮大工はプレカットされた家など建てませんから。
現代建築は人間を寒さや暑さから守る上では非常に優れた工法だと思います。しかし、日
本の気候風土を考えてみると、元々日本古来から受け継がれてきた純日本建築工法の素晴ら
しさは全くと言っていいほど消し去られた感が否めません。特に北東北の家と九州の家に違い
が殆ど無い(デザインや間取りなど)というのは「オカシイ」のです。
日本は世界的に見れば国土が小さな国ですが、東西南北に長く、同じ国でありながら気候
が全く異なる地域が数多く点在する非常に珍しい国です。気候が異なるという事は、造る
家にもそれなりの特徴が有って然るべきなのですが、残念ながらそういう地域の特徴をな
くさせた張本人は全国に支店を持つハウスメーカーであると私は思います。
然りながらハウスメーカーが日本全国の建築業界に与えた良い影響を挙げるとすれば、それ
は『お客様ファーストの家づくり』だと思います。お客様の夢や希望を真摯に聴き、それを
カタチにする姿勢は昔気質の工務店には無く、事実そういう工務店はほとんど淘汰されてい
きました。
今は小さな工務店であってもハウスメーカーよりたくさん勉強をして、ハウスメーカー以上に
高性能で価格が安い家を建てている社長さんたちが全国にたくさんいます。住宅価格が高騰の
一途を辿っている現状において、より安く住宅を建てたいとお考えの方は地元で優れた技術
とサービスを持った工務店を探されることをお薦めします。
仮に3,000万円の予算で家を建てようと考えた際、ハウスメーカーと工務店では家の
工事費にかかる金額は最低でも180万円は違います。工務店の方がより多くの予算を
あなたの住宅に掛けてくれます。これは単純に広告費の違いによるものですが、会社が大
きければ大きいほど多くの広告費が掛かる訳で、先ほどの180万円の違いはこれに該当
します。
個人的見解ですが、私にとって180万円は大金ですので、私がお客様の立場であればハウ
スメーカーには頼みません。「それはブランド料だ。」と思われる方はハウスメーカーで宜し
いかと思いますが、そうは思えない方はぜひフォレストへお問い合わせください。住宅建築
業界の裏側を、ハウスメーカーが絶対に教えてはくれない真実をコッソリお教えします。