『太陽の家』標準仕様
人の体に優しい蓄熱式全館床暖房【EcoDAS Ⅱ】について
フォレストオリジナル蓄熱式床暖房システムとは?床下に温水(不凍液)が流れる架橋ポリ管(内径13mm)を床暖房したいスペースに配管します。その配管を蓄熱層(24mm)で埋めます。
使用時は配管内に温水が通り、蓄熱層を暖めます。やがて蓄熱層全体が温まると飽和状態になり、人体に最も吸収のよい遠赤外線(低温輻射熱)を放射します。
弊社が推奨する蓄熱式床暖房は空気を暖めるのではなく、直接建物を暖めます。これが伝導・輻射熱型という弊社オリジナルの暖め方であり、蓄熱式床暖房のすばらしいところです。
熱源を感じる事なく、陽だまりのような、気持ちのいい暖かさとなります。低燃費で建物全体を暖める事が出来、お年寄りに危険なヒートショックを起こす環境を作りません。
ゆえに「蓄熱式床暖房」は安全、快適、省エネな暖房システムと言えるのです。
【参考】外気温が氷点下の時でも45℃以下の温水を循環させるだけで全室内の温度が22℃程度になります。
メリットとデメリットメリット(長所)※数ある暖房機器の中で天井面より足元の温度が高いのは唯一床暖房だけです。
■頭寒足熱
熱が足元から伝わるので、冷え性の方でもいつも身体がポカポカになります。
■温度差の無い空間
オリジナル配管方式で洗面所やトイレ、廊下、玄関などの狭小スペースにも床暖房が入れられます。家中どこへ行っても温度差が無いので、ヒートショックの危険性が大幅に減ります。
■ランニングコスト削減
蓄熱層の余熱とタイマー機能を上手く使うことで、省エネ運転が出来ます。
■一台のボイラーで全館暖房
中型FFストーブ並のボイラー1台で家1棟丸ごとポカポカにします。
しかもボイラーのメンテナンスは長期間(約10年)不要です。(※注1)
■家具のレイアウトが自由
部屋の中に暖房機器(障害物)が無いので、自由に家具の配置が行えます。
■伝導・輻射熱方式
温風を起こさないので、目に見えないホコリが部屋の中を舞う事がありません。
また同じ輻射熱でも高熱を出すストーブと違い、小さなお子様や高齢者、身障者の方にも安全です。
(※注1)循環する不凍液は5年に1回、全量交換が必要となります。
■外部融雪設備としての利用も可
ご希望に応じて玄関アプローチやカースペースへの敷設も可能です。
デメリット(短所)
- 特殊な施工方法なので、熟練した技術と設計力が必要です。経験と知識がトラブルを回避します。
- 使用するフローリングの特性を十分把握しないとトラブルになります。対応できる床材料の選択には制限があります。(床は天井や壁と違って簡単に張替ができません。)
- 暖まり始めるのに時間がかかり、急速な室温上昇対応や部分暖房は苦手です。
- 唯一他の暖房器具と同じなのが、室内が過乾燥状態になる事です。居室には加湿器等が必要になります。
イニシャルコスト※下記の価格は灯油ボイラー使用の場合です。その他の機器の場合少々異なります。
上の図面は床暖房の配管区画割を示しています。暖房範囲は寒冷地につき全館で行うのが理想ですが、予算や生活スタイルに合わせて範囲を決めていくことも可能です。架橋ポリ管は基本的に100メートルをつなぎ目無しで、一筆書きのように配管します。100メートルで約8畳ほどをカバーします。それ以上に大きな空間は複数の系統に分けて配管をします。(図面は1階のみですが、2階も行います。)
上記住宅(1階床面積21.7坪)の場合、居間・食堂・台所・和室・玄関・廊下・洗面所・トイレに配管し、合わせて1階部分のみ32畳(4系統)で設備施工費込み約100万円(税抜き)です。一般的な総2階建て40坪くらいの建物であれば64畳(8系統)で約150万円(税抜)ほどで全館床暖房が可能ですから、面積が大きくなるほど坪単価は大幅に割安となります。
蓄熱式と直接式※一口に床暖房と言うと、どこも同じものだと思われがちですが、実は様々な工法があります。
一般的に言われている多くの床暖房は、フローリングと下地の間に温水管または電気シートを挟んだ直接式の方法です。蓄熱容量の小さい床板では、温水管や電気ヒーターの周りは熱くなりますが、少し離れると冷たく感じます。
そしてヒーターを切るとすぐに冷えてしまいます。電気カーペットとあまり変わりがありません。これらメーカー品の床暖房による全館暖房は難しく、出来たとしてもランニングコストが異常に高く付きます。
蓄熱式とはいったん床板下の蓄熱層に熱を蓄えさせてから、熱が飽和状態になったところで、伝導・輻射熱としてフローリングに伝わり、やがて床全体を温めながら徐々に壁や家具類を温めていきます。
温まるのに時間がかかりますが、床面の熱ムラは少なくなります。熱源を切ってもすぐに冷めることもなく、タイマーで熱源の管理をすれば、冬期間一定の温度を保つことが可能です。
床暖房を局所的に考えるのではなく、全館暖房で室内に温度差を作らない発想が蓄熱式なのです。
全館暖房※ランニングコストについては諸条件によって異なりますので設計担当者にお問い合わせ願います。
全館床暖房と聞くと高いんだろうと思われますが、それはメーカーのパネル一体型の床暖房システムを使おうと考えるからです。メーカー品は安くありません。一部の部屋だけ補助暖房用として使用するには適していますが、全館暖房しようとしたら思いのほか高くつきます。蓄熱式床暖房を実現するには設計段階から計画し、基礎工事、断熱材を含めた床仕様を考え、市販の配管材料とボイラーの組み合わせを考えることで、ローコストで品質の高い床暖房が可能となります。床暖房の熱源は灯油でも、ガスでも電気でも自由に選ぶことができます。
(※注2)県南の真冬の寒さに対応出来るパワーのある機器は今のところ灯油ボイラーかガスボイラーしかありません。当社においては燃料コストを考慮して灯油ボイラーを推奨しております。
床暖房の本当のねらい床暖房の本来の目的は、熱源が感じられない自然な暖かさで、部屋と部屋の温度差が無い空間を作る事です。
居室だけを暖め、廊下やトイレに行ったら急に寒くなり、お年寄りを危険にさらすのが、今までの住宅暖房でした。これをヒートショックと言います。家全体を暖め各部屋の温度差を無くし、しかも燃費の良い暖房方法が蓄熱式床暖房なのです。(正確には「伝導・輻射熱型蓄熱式全館床暖房」と言います。)
この方法は結露の発生も起きにくくします。また、蓄熱層を施工することにより、夏には逆にひんやりとした床になり、夏の省エネにも貢献します。 設計計画や施工技術に特殊なノウハウが必要な為、施工できる会社は多く存在しませんが、住む人に優しいこの床暖房システムをぜひ多くの方に体感して頂きたいと思っております。
1階床下地組
2階床下地組
1階配管工事
2階配管工事
玄関土間配管
蓄熱層施工
蓄熱層施工完了
床暖用無垢フローリング貼り
ヘッダー配管
FF式灯油ボイラー
高効率式【エコフィール】