SA様邸床暖リノベーション (羽後町)
SA様邸リフォーム(羽後町) 2019.2.12
大規模高性能化リフォーム工事
お客様のご要望は次の通りでした。
- とにかく冬が寒い。高齢の両親が快適に住める暖かい家にしたい。
- 両親の身体を考えると全館暖房の家にしたい。
- 先祖代々受け継がれてきた古民家づくりの部分を残したままリフォームして欲しい。
工事前【外部】
- 明治時代からある平屋の古民家部分は萱葺き屋根の上に鉄板瓦が葺かれ、重厚感 漂う外観である。だが、昭和に建てられた二階建て部分はいかにも華奢な造りで 外から見ても老朽化の深刻さが伺える状態でした。
- 開口部が多く、耐力壁が少なかった。(実際に解体してみると筋交いが薄く、金物も全く使用されていなかった。大地震に対して不安な住宅であった。)
【内部】
- 平屋の古民家部分、特に居間の天井にある太鼓梁は漆塗りが施され、美しい状態でした。また柱は栗の木で5寸角以上の太さがあり、若干の傾きはありましたが、 とても希少性の高い構造物でした。しかし空間的には無駄に広すぎる感あり。同じく玄関も無駄に広すぎて、持て余してしまっている状態。
- 古民家部分も昭和に建てられた2階建て部分も床の水平が悪く、また至るところで段差があり、階段も急勾配で高齢者が住むには障害が多すぎました。
- 台所兼食堂は勝手口やボイラー置場、内蔵や洗面所への出入口があり、家事動線的には良かったのかもしれませんが、整理整頓がしにくい間取りでした。
- 高齢者夫婦の部屋はトイレや洗面所が近くにあり良かったのですが、室内に収納スペースが全く無く、やはり整理整頓しにくい状態でした。
- トイレは1階に男女各1カ所ずつありましたが、入口までの廊下がジグザグにな っていた為、使いにくかったと思われます。
【断熱性能・暖房方法】
- 床下には全く断熱材が入っておらず、床根太の構成もバラバラで全面的な補強が必要でした。
- 古民家部分の外壁には断熱材など入っておらず、2階建の方も薄いグラスウールが部分的に入っているだけでした。
- 2階天井だけにグラスウール50mmが敷かれているだけでした。
- サッシは一部だけが二重サッシで、殆どがアルミ製のシングルガラスを使用。
- 居間と2階洋室のみにFF式ストーブを設置していた。局所暖房なので台所や廊下・トイレ・洗面所などは寒かった。(ヒートショックの恐れ大いにあり)
工事後【外部】
- 今回行った区画の外壁を全て金属サイディング張り(通気工法)にして長持ちするようにしました。また凹凸の多かった外壁を極力シンプルな形状にしました。 昭和に建てられた部分の下屋のみ、屋根の葺き替えを行いました。
- 多すぎる開口部を最小限に抑え、採光を取りつつ壁面(耐力壁)を増やしました。 また肉厚の薄い筋交いは交換し、更に金物を取付けて耐震補強を行いました。
- 玄関戸も断熱片引き戸に取替え、高齢者に配慮した出入りが出来るようにしました。
【内部】
- 平屋の古民家部分の構造材はそのまま活かし、次項のリフォームを行いました。
1)北側の使用されていない広縁を居間に取り込み、床を畳からフローリングに変更しました。壁は漆喰塗りでしたが汚れがひどかったので、漆喰用の塗料を塗り、天井は解体して石膏ボードの上にクロスを張りました。
2)これまで天井から吊り下げられていた照明を壁面に移動し、スッキリとした空間にしました。
3)玄関にはシューズクロークを新たに設け、床には300角のタイルを張り、大黒柱も作り替え、格調高い空間に仕上げました。(タイルの下にも床暖房が敷設) - 極力段差が出ないように床レベルを調整し、階段も緩勾配に作り替えました。
- 家事動線を考慮しながら、全く違う形の対面式キッチンを実現させました。
- 高齢者夫婦の部屋に2ヶ所の収納スペースを生み出し、洋室に作り替えました。
- トイレは1カ所に集約し、長い廊下を無くして最短距離で行けるようにしました。
【断熱性能・暖房方法】
- 床下は補強必要箇所の修復を行った後、現場発泡ウレタンを116mm吹き付けました。
- 外壁は全面に構造用パネル(ハイベストウッド)を張り、内側より現場発泡ウレタンを77mm吹き付けました。
- 古民家の天井には現場発泡ウレタンを140mm吹付け、2階の天井の断熱は吹込み式ロックウール200mmで対応致しました。
- サッシはサーモスX(ガス入りペアガラス)を標準仕様とし、居間の掃き出し窓にはトリプルガラスを使った超高性能サッシを採用しました。 ※ 弊社の高性能化リフォーム工事は新築工事に準ずる性能を誇ります。
- 1階は食品庫・浴室を除く全部屋に蓄熱式床暖房が敷設されております。(2階は除外) ※ 住宅の高性能化によりFFストーブより小さなボイラー1台で40坪の空間が24時間、快適 な状態で生活する事が出来ます。(2018.12.15測定:不凍液循環温度:39°C、室温:22°C、外気温:0°C)
実際のリフォーム施工事例※写真をクリックするとビフォーアフターをご覧頂けます。